新卒で入社した企業を退職し、桑沢デザイン研究所という専門学校の夜間部へ入学して、早くも1年の授業のうち半期が経過しました。
先日、無事すべての課題を提出したので、これにて夏休みに突入です。
ということは、もう2年間の学生生活の1/4が終わってしまったということにほかなりません…。早すぎますね…。
日々充実した毎日を送っているので、余計に時間が経つのも早く感じます。
さて、そんなこんなありまして、この半年間は色々なことが起こりました。
また、会社を辞めて学校に通うようになってからというもの、出会う方々や友人たち、さまざまな方から質問を受けるようにもなりました。
社会人を経て学生になる人は少ないので物珍しいということもあるのでしょう。
今、私の記事をご覧になっている方の中には、純粋にデザイン学生、夜間の専門学校というものに対して興味があるという方もいらっしゃることと思います。
したがって、今回はその質問の中で特に多かった項目をいくつかピックアップしたり、自分自身が気になっていたことなどを質問として加えたりしながら、その回答を記していこうと思います。
周囲の反応について
意外とよく聞かれたのはこの質問です。やりたいことがあったりしても周りの意見が気になる方は多いということだと思います。
簡潔に結論から述べると、当然ながら賛否両論あります。
私自身のことでいうと20年間以上生きてきた中で積み上げてきたこと、そして、それらを示して入社した会社を辞めるという決断。
多くの人が知る企業であったので、周囲の方からは「もったいない」と言われることは多かったです。
私の考えとしても、たった2年足らずで辞めたのだからその言葉の意味は理解できます。
そのような言葉が多かったのは、私のことを心配してくださっているからだというのは理解していて、一方で、「もったいない」という言葉に対してはちょっと違うかなとも思っています。
なぜかといえば、決断を下した時点の私は、自分が興味を持てないことを続けていくことのほうが勿体ないと考えていたからです。
興味の薄いことを続けていくのには心が持ちませんでした。
好きなことや自分が力を発揮できる場所にいち早く身を投じていった方がそれだけ長くそのことに打ち込める時間がある。
舵を切るのであればできるだけ若いほうがいい。
周りからどう見られたいかよりも、自分がどう生きていきたいかを優先した結果がこの道であった。
純粋に、自分の思うがままに。ただそれだけです。なので現時点でまったく後悔はしていません。
この選択をするにあたり、昨年の今頃に桑沢のオープンキャンパスに足を運んだ際にも書きました(過去記事はこちら)が、自分自身の頭で考えたということに何よりも価値があると、そう考えています。
後悔はしていませんが、この決断は今も正解かどうかはわかりません。そんなものは結果論でしかないと思っているからです。
この先の人生が思い通りにいけば正解。そうでなければ不正解。それだけの話です。
いや、そもそも正解も不正解もないのかもしれません。
私自身が納得しているかどうか。
デザインを学びたいという想いを抱えたまま過ごすのは、私の生き方には反していました。それは自分の中で納得がいかなかったのです。
そうして踏み出して今があるので、後はもうやるしかない。それだけです。
周りの方に多大なる迷惑をおかけした(している)反省と、どうせ一度しかない人生だから好きなことやろうぜと声を大にして言いたいのと両方の想いがあります。
私なんかでよければ背中ならいくらでも押させていただきます。質問や相談がございましたら問い合わせフォームよりメッセージを送ってください。
スケジュール感について
授業時間は18:00〜21:10、1h30minが2コマ連続であり、その間に10分の休憩が入ります。
1日1科目で3h。それが週に5日間。ちなみに前期に関しては私の場合は木日休みです。
週5日の授業では、基本的に次週の授業までに毎回課題が出るので、それらをこなしていくことで技術習得していくことになります。
プロダクトデザインを学んでいるので、1年前期の授業ラインナップは
製図・スケッチ・プロダクト製作(テープカッター)・プロダクトデザイン論・モデリング
といった感じになっています。
夜間部なので講義系科目は1つ。昼間部は2年から専門のコースに別れていくため、もう少し多いですかね。
デザイン論的な部分の理解度は、個人のインプットや理解力にゆだねられている部分が大きいので、それらに関する理解や考える深さはそれなりに差が生まれてくるかなと思います。
そもそもデザインが扱う領域は森羅万象なので、あらゆることに興味がなければいけなかったり、知的好奇心が能力に直結する部分も多いにあるので、アカデミックに生きてきた人は強いなという印象を持ちました。それまでの経験や、熱量、そもそも考えることが好きかどうかなど、そのあたりは完全に個人の裁量次第で、学校においては定量的な評価の対象になることもないので、自由です。
そういう面に期待するのであれば専門学校よりも大学の方が向いているのかもしれません。
いい意味でも悪い意味でも、夜間部はそこまで面倒は見てくれないという実感です。
実戦外の知識は完全に個人の興味で身に付け、実戦の部分は手を動かして、授業を通して身に付けていく。
技術系の4科目について。
これらは授業内に作業の時間が設けられていることもありますが、基本的にその時間内に課題が終わることはほぼ無いも同然なので、時間を捻出して課題製作に充てていくことになります。
これが結構キツイ。
学生一本の生活をしている私でも、課題の重なり方によってはギリギリだなあと感じることもあります。
社会人生活をしながら課題をこなしているクラスメイトも何人もいますが、正直なところかなり大変そうです。
皆さん睡眠を削っています。課題提出間近になるとゾンビみたいな姿になって登校してくる方もいらっしゃいます。
実際私も受験時にはまだ会社員だったのですが、面接官であった専任講師からは「キツイよ?笑」と軽い脅しに遭いました。(笑)
その時にはすでに退社の意向を会社へと伝えていたので、関係はなかったのですが。
桑沢は課題が多く大変だ大変だと耳にすることは多いですが、いざ入学して実際に体験してみると「なるほどこういうことね」と、それらの言葉が納得のいくスケジュール感で動いていくことになります。
特に大変だなと思う点としては、常に何かしらの課題が降ってくることになるので、その負担を均等に”ならす”ことができない点かなと思っています。
毎週の課題を先取りして貯金を作るということが難しいため、打ち返せるものはできるだけ早く打ち返してほかの課題に取り組むという過ごし方が理想ですね。
できるだけそうしてきたつもりではありますが、後期はよりそうありたいものです…。
忙しい時期にはすべての科目がどっと忙しくなるので、その時期だけは多少の無理が必要になったりする場合があるという感じですかね。
そもそもなぜデザインなのか
一番よく聞かれるのがこの質問です。
なぜかと問われたら、未経験ながらに「向いていると思ったから」そして「好きだから」です。
考えることが好きだったり、人に興味があるならばデザインすることは好きだったり向いているのではないかと思います。
そこに、色々なものの「見た目」や「感じ方」へのこだわりがある人ならなおさらです。
人に興味があるならば、と書いたのは、結局デザインは「人」のためにすることが大多数であるからです。HCD(Human Centered Design)という言葉があるくらいなので。HCDに関してはググっていただけると幸いです。
私はそのいずれにも興味があり、デザインの本質が単なる装飾ではないと知った時から、「これだ」と感じて進んできました。
その考えは間違いなかったなと今でも思っています。
今でこそデザインは装飾のみならず、いわゆる「広義のデザイン」として、多義的な扱われかたをすることが増えましたが、そんな実感は、文系学生として高校・大学生活を送っている中では感じることができなかったので、過去の私の視界には入ってこなかったというのが率直なところです。
前にも書きましたが、当時の私にはそもそも美大や専門学校へ進むという選択肢が頭になかったのです。
このタイミングでデザインを将来的に仕事にしたいと考えた際、しっかりとその道の第一線で活躍している方から教わり勉強をして、批評を受けることで自分の中で価値観の軸を一本通したいと思ったので、学校に通うことにしました。
学校の選び方としては「批評や議論ができること」に重きを置いて、デザイン系の大学院、もしくは社会人経験のある方々が多く集まりそうな夜間の専門学校に絞り、その中でも特に「手を動かすこと」を重視していると感じた桑沢に進むことに決めました。これは参考までに。
まとめ
簡単にですが、よく聞かれることをざっとまとめてみました。
デザインをはじめてから、やりたいことが次々と出てきてとても幸せな日々を送っています。
後期の授業が始まるまで1か月以上あるので、ガンガン欲張っていこうと思っています。
ということで、一つご報告としてインターンとしてベンチャー企業でデザイナーをやることが決まりました。
そこではグラフィック系、UI、ウェブデザインの知識が必要になるので、この夏からはそのあたりの知識をより深めていこうと思っています。
デザインを学ぼうかなと考えている方、桑沢のプロダクトデザインコースに興味があるという方のためになればという想いと、自分自身の振り返りも兼ねて久しぶりに学校のことについて書きました。
前期を乗り切ったので、後期も頑張っていこうと思います。そのために夏休みも頑張ります。結局ずっと頑張ります。(笑)
暑い夏が今年もやってきましたが、それ以上にアツく乗り切ってやろうと思っています。
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