昨日、2018 12/1~9の9日間にわたり、国立新美術館で開催されている「もしかする未来」展に行ってきました。
この展示は、デザインとエンジニアリングの融合を実践する東京大学生産技術研究所による企画。
最先端の研究とデザインが融合して提案される未来のカタチに、私は感心の連続でした。
写真をメインにその内容に少し触れつつ、展示の感想を書いてみようと思います。
エンジニアリングとデザイン
そもそもエンジニアリングとデザインはどんな関係なのか。
かねてより日本のものづくりでは、その分断が大きかったのですが、最近はその潮目も変わりつつあります。
デザインとエンジニアリングを別々に考えるのではなく、同時に行うことでゼロから価値を見出していく、まさに未来を作り出していくというのがこのデザインエンジニアリングという分野の特徴です。
また、近年はデザインのプレゼンスも徐々に向上し、様々な隣接ジャンルとの壁が融けていっているように思います。
中でも、ことエンジニアリングとデザインという点では、その渦の中心には間違いなく、今回の展示の中心である山中俊治先生(@Yam_eye)の存在があると言えるでしょう。
さらに、ロンドンのRCAというデザインスクールとの提携が更にこの波を大きくし、日本のエンジニアリングとデザインの融合について、もっとも注目すべき機関は東大生研なのではないか、というのが個人的な意見でもあります。
デザインエンジニアリングというモデルを提示し、デザインファームTakramの代表を務める田川欣哉(@_tagawa)さんも、山中俊治先生の研究室の出身であり、さらにRCA出身で客員教授を勤めているという方です。RCAとの提携も、おそらく田川さんの存在が大きいのだろうと。
ちなみに、デザインとエンジニアリングの代表とも言える革新的な掃除機を生み出した、ダイソンの創始者ジェームズ・ダイソンもRCAの出身であることからも、この2つの機関のコラボレーションがどんな未来を我々に提示してくれるのだろうかと期待が膨らむのもおかしくありません。
これらの背景を踏まえつつ、展示を観た感想は「たくさんのワクワク」と、「未来への期待」が詰まっている、でした。自分もこんなデザインがしたいと心から思えるものばかりで、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
展示については、私が説明するよりも実際に写真を見ていただいたほうが早いので、以下は写真をメインに掲載します。Twitterで「#もしかする未来」と検索するとたくさんヒットします。
この展示では写真撮影、SNSなどへの投稿も可だったことも非常に嬉しいポイントでした。
展示の様子
会場構成としては、以下の4つに分けられて展示がなされていました。
01 もしかする未来が生まれる場所
02 もしかする未来のつくりかた
03 もしかする未来の原型
04 もしかする未来の足跡
折り紙のような3Dプリンティング手法
パターンや構造で触覚の違いを生み出す
3Dプリンティングで作られた義足
海水温などを調査するデバイス
チタンの結晶
新しい住居の提案 生産コストのかかる継手部を3Dプリンティングで出力した部品で代替
成形されたタンパク質
山中先生のスケッチ原画、美しすぎる・・・(撮りすぎた)
スケッチの線画、本当に難しいなあと思うのでいつかこんな格好良い線を引きたいものです。
土日はツアーが開催
土曜日と日曜日のみ15:00から、山中俊治先生のアシスタントを勤めた経験もある、角尾舞(@ocojo)さんによるツアーが開催されています。
実際にこのツアーに私も参加してお話を聞いてきたのですが、とてもわかりやすい研究内容の解説や裏話まで、非常に楽しく展示スペースを回ることができるので、この時間に訪れられる方はぜひとも参加することをおすすめしたいです。
おそらく雪だるま式に徐々に参加者が増えていくので、モンゴルの遊牧民さながら民族大移動疑似体験もできます。これは冗談ですが、本当におすすめです。
まとめ
素晴らしい研究とデザインの数々、終始心躍る展示で大満足でした。
しかも、なんとこの展示、入場無料なんですよね。
今週で終わってしまうので、ぜひお時間のある方は足を運んでみてください。
普段なかなか見ることのできない、大学の研究の最前線を垣間見ることができます。
ちなみに、有料の展示はピエール・ボナール展と東山魁夷展です。
せっかくなのでピエール・ボナール展にも足を運びました。
(パリのオルセー美術館には行ったことがあるので、今回観るのは2度目なのです。)
とにかく人が多くて辛かったので、また後日ゆっくりと見に行きたいですね…
それでは以上、「もしかする未来」展についてでした。
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