映画や雑誌、はたまたブログなどを見ていて、我々がなぜ、どのようにして印象を抱き、感情が動かされるのかを考えたことはありますでしょうか。
その我々が抱く印象の変化に大きく関係してくるのが「クレショフ効果」なのです。
このクレショフ効果、使い方は至って簡単でありながらも、うまく使うと効果的なイメージ作りができるため、是非ともマスターしたい技術。
今回はそのクレショフ効果について解説します。
クレショフ効果とは
まず、クレショフ効果をご存知でしょうか。
この効果はソ連の映画監督、レフ・クレショフが示した、人間の認知バイアスです。
認知バイアスというのは、我々人間が無意識のうちにしてしまう行動や反応のことをいいます。
どういった認知バイアスかと言うと、「映像の前後が変化することによって生じる意味や解釈の変化」のことをいいます。
どんな時に使われるのか
どのように使われるのか、簡単に解説します。
例えば、まず映画。
連続した画像の集まりである「映像」を、さらにつなぎ合わせて作るのが「映画」です。
この連続した一つ一つの関係の中にクレショフ効果が使われています。
簡単な例で考えてみましょう。
楽しそうに遊ぶ子供の映像が流れています。
次に、笑顔の男性へと映像が切り替わります。
ここで我々はどのような印象を抱くでしょうか。
おそらく多くの方が、「楽しそうに遊ぶ子供をみて、男性は嬉しい気持ちになり、笑顔になった。」
このようなストーリーを描くはずです。
もう一つ別の例を見てみます。
落とし穴に女性が落ちてしまう映像が流れています。
そして、先ほどと全く同じ笑顔の男性へと映像が切り替わります。
さて、今回はどのような印象を抱くでしょうか。
2回とも同じ男性が同じように笑う映像ですが、全く違った印象になりませんか?
1回目はほっこりするような、心温まる意味の笑顔。
2回目は意地悪く、冷たい笑顔。
このように構成や前後に見たものによって、受ける印象が変わるというのがクレショフ効果です。
連続するものからその間の文脈を読み取ってしまうという人間の認知の仕組みなのです。
これは静止画でも同じことが言えます。
例えば、食べ物の写真を見た後に無表情の男性の写真を見ると、「空腹なのではないか」
事故の写真を見た後に無表情の男性の写真を見ると、「悲しいのではないか」などと受け取ってしまうのです。
自分のブランド、ブログのイメージを作る
これをうまくブランディングに組み込むと、自分の思い通りの印象を与えることができます。
例えば、あなたが家電製品を30代男性ビジネスマンに届けたい場合、スーツの男性の写真や高層ビルの写真など、そのターゲットを連想する画像を一緒に配置することでターゲットのイメージを連想させることができます。
温もりのある家具を売りたい場合には、明るめの家族写真や食卓の風景など。
このようにしてどのように見られたいかを自分で作り上げていくのです。
まとめ
こう見られたい=物事の関係から相手に文脈を読み取らせる
これがブランディングにおいて最もシンプルで絶大な効果をもつ手法です。
この効果を使うのが上手な方はセルフブランディングが上手だと言えるでしょう。
単純でシンプルなので、是非試してみてください。
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