後編です。(前回の記事「20代からデザインを学ぶ。1ヶ月経過して。(前編)」
前回の記事ではインプットまで書いたので今回はアウトプットについてと、今後の方向性について書きます。
アウトプット
スコット・ロバートソンのHOW TO DRAW
デザインを勉強しようと思い立ってから一番に考えたことは、スケッチをどうにかして学ぶ必要があるということでした。
専門学校のオープンキャンパスで学生達の作品集を見て、最近はパソコンでの創作が主流であるにしろ、アイディアスケッチなどの段階でも、どれも相当レベルが高いなあと驚きました。
そりゃあそうだよなと思いつつも、自分と彼らとのギャップを埋めるべく、まずは画力の向上に務めなければならないと改めて思い知らされました。
画力というと絵画的な巧さと捉えてしまいがちですが、プロダクトデザインのソレは絵画とはまた違ったもので、”わかりやすさ”や”見やすさ”が重視されています。
どちらかというと建築などの設計図に近いものであるということを、並べられたポートフォリオの中の絵を見て気がついた。そうと分かれば、もちろん絵画的な巧さを身に着けているに越したことはないが、自分がやるべきことはプロダクトデザインのスケッチ技法を学ぶことであると思い、専門書選びに取り掛かりました。
その過程で見つけた一冊が、「スコット・ロバートソンのHOW TO DRAW」。口コミ評価も、ツイッターで検索しても評判が良かったのですぐにその場でアマゾンで購入しました。
この本に書いてあるのは、立体を描く際の基本的なセオリーや遠近法について。背表紙には、以下のように内容と対象者の説明がなされています。
このように、私のような初学者からプロに至るまで幅広い読者層が想定されており、内容も段階を経てステップアップしていくよう構成されています。
直線や楕円を正確にフリーハンドで書くところから始まり、透視図の説明、図形の複製とその技術を応用したスケッチへと発展。
角度や対称性、位置関係などに重きが置かれており、技法というよりもルールに近い内容。本の中で常に問われているのは、「スケッチに破綻がないか」ということだと感じました。
そもそも、全ての絵がそうなのかもしれないのですが、パズルのように線を一本一本正確に足していく作業にプラモデルを組み立てていくような楽しさと、書き終わった後の達成感があります。
逆に言えば、一箇所でもおかしなところがあればその絵には違和感が生まれてしまい、その違和感が連鎖するのだということ。それを念頭に置いて、この本で一通り技法を身につけた後に、自分がどんなスケッチを描くようになっているのかを楽しみにしながら、当面勉強を続けていくつもりです。
自分の好きなデザインを知る
自分の好きなデザインというものは、誰しもあるだろうが、何故好きなのかと問われてしっかりと答えられなければ本当に好きと言えないのでは?
また、自分の好きなデザインを説明することができたら、自分の価値観の核がより明確に見えてくるのではないか、ということでとにかく自分の好きなデザインについて書き出してみることにしました。
集める
アウトプットするにも、対象物を集めないことには分析などできやしません。こんなときに役に立つのがInstagramとTwitterとPinterestです。情報時代バンザイ。
ロゴから、建築物、インテリア、イラスト、食器、インダストリアルデザイン、空間、ファッション、ありとあらゆるデザインをピックアップ。Twitterでも気になった人や物をガンガンfollowアンドいいね。とにかく吸収。圧倒的吸収。自分を生まれたての人間だと思い込んで圧倒的に吸収。
カテゴライズする
ある程度集めてみると規則性が見えてくるように感じました。自分の場合は、分野によって好きなデザインの雰囲気がかなり違います。そういえば、大学時代によく通った古着屋に、店内が小屋のようなパーテーションで別れていて、その区切りごとに洋服のジャンルや年代が別れているという見せ方をしている店があったことを思い出しました。
スポーツ系、60’s、モード、ミリタリーなど。様々なジャンルの服があったけれど、その中間が良かったりするんだよなあと思ったり。例えばモードとストリートの中間が良いなーと思ったりとかして結局Y-3に流れ着く、みたいなことになっていたことも同時に思い出しました。着なかったけど。
こういうことをする中で、こことここの中間を攻めたら面白いんじゃないの?というアイディアが浮かんでくるのかもしれないですね。
言語化する
さて、肝心な言語化についてですが、正直なところ、まだここには手を付けることができていません。というのも、この部分が専門学校の入試に直結してくる部分でもあるので生半可な気持ちでは手が付けられませんでした。
なんとなーく自分が好きなデザインは90’sの色使いが多いな、程度に留めています。
次の「今後の方向性」の入試に向けてという見出しでこの部分について書きたいので、そちらに回すことにします。
今後の方向性
さて、1ヶ月経った今、今後の方向性はどうしていきましょうか。決まっている部分と、ぼんやりとしている部分とがあるにせよ考えていることを下記に記していきます。
語学の勉強
これはマスト。何故かと言うと、どう考えても英語の方がデザイン(およびその他も同様)に関する論文やtipsにアクセスしやすいからです。
喋れることももちろん大切だけれども、読むことを重視している(た)と思われる日本の英語教育を大学卒業までせっかく受けてきたので、その蓄積を生かしてもう一度デザインに触れながら英語に取り組みたいです。
また、せっかく新しいことにチャレンジするのだから、別に日本に拘る必要もないんじゃないかとも思い始めたことも理由の1つ。
英語を学べば情報を収集、発信できる対象も日本という国から英語圏、世界へと開ける。学んで損はない。とりあえず文法を復習しつつ興味のある英語の記事でも探して読むことにします。
あと、最近ちょっとドイツ/ベルリンに興味があるので、ここにも手を出したい。ドイツ語やろうかな。ドイツに行きたいだけだけど。
デザインの勉強
当面はスケッチの仕方を学んでいくつもりではありますが、対象物を正確に捉えるという意味で、デッサンで目を養うこともやはり重要だと思うので、これをはさみつつプロダクトデザインのスケッチを身に着けていきたいです。
あとはやはり色々なものに興味を持つことだけは忘れずに日常を過ごすこと。
3Dモデリングのfusion 360というソフトを落としたので、息抜きがてらそのソフトで遊んでみようかとも思っています。幾何学的なデザインにも興味があるので数学とかもやらなきゃなと。
Twitterを見ていると趣味でいろいろな人がこういったソフトで創作をしていて刺激を受けます。
入試に向けて
先にも少し書きましたが、好きなデザインの言語化と入試内容が直結しています。
好きなデザインと、なぜそのデザインが好きなのかを説明するという内容なので、ここは真剣に、そして慎重にいきたいです。レイアウトなども考えてはいるものの、少しでも良いものを作って提出したいので、時間を掛けてブラッシュアップしていくつもりです。
いざ入試問題と向き合ってみると、とても楽しいです。また、単なる入試としてではなく、自分の価値観を知るという意味で大切なことをやっているという実感があるので、最も時間を割いて取り組んでいくつもりです。
まとめ
以上が、1ヶ月前にデザインに興味を持ち、勉強を始めようと思い立ってからやってきたことと、今後の計画です。やってきたことはもう過去なので変わらないし、今後の計画は逆に未来のことなので変わる可能性は十分にあります。
ただ、1つ今のところ言えることは、こうしてデザインのことを勉強することが楽しく、来月も継続して取り組んでいる自分の姿が容易に想像できるということです。
夢中になることを超える効率のいい勉強法はないので、今後も夢中で取り組んでいきたいと思っています。以上、経過報告でした。
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