Web3とデザイン

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デザイン

 

昨今、Web3というバズワードが大変な盛り上がりを見せています。

 

大学時代に証券投資を専攻していたこともあって数年間ずっとブロックチェーンやクリプト周りの情報を追ってきた自分としては、やはりここまで盛り上がってくるとデザイナーとして自分は何ができるのかを本気で考えていかねばなりません。

 

技術周りのことは難しいですが、とりあえずWeb3の海に飛び込んでデザイナーとして何ができるのか、みなさんと一緒に考えていけたらと思います。

 

 

Web3でデザイナーというと、クリエイティビティを活かしてNFTを発行するだとか、ちょっと調べるとそういったことばかり出てきますが、ここではもうちょっと現実的に地に足つけて、実際どんなところで貢献できるのかその可能性について考えていきます。

 

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Web1、Web2の歴史

デザイナーとして何ができるかを考える前に、まず環境の認識が必要なので、ざっとインターネットの歴史を振り返ってみようと思います。

 

Web1はオフラインにあった情報がオンラインへと移行した時代でした。それまで、テレビ、ラジオ、新聞、などマスメディアが強大な権力を持っていたのは多くの方が知るところでしょう。情報が静的なWebページに掲載され、ブラウザを通してそれらを閲覧する、という時代です。

 

インターネットで世界中の情報にアクセスできるようになったことは世界の大きな発展への第一歩でしたが、この時代はまだまだインターネットを利用できる人々の数は多くありません。

インターネットを利用するためのコストは高く、インフラも整っていない。限られた人に開かれた新たな世界でした。

 

その後、Web2への移行では、インターネットの世界が急速に発展を遂げていきます。

そこで生まれたのはインタラクションです。それまで情報の受け手であったユーザーが発信者へとシフトしたのがこの時代、西暦にして2000年代中期からです。

 

画像、音声、動画を始め、インターネットにさまざまなファイルをアップロードできるようにもなりました。

 

また、Web2では企業がサービスを提供しユーザーが利用する、そうして集まったデータをもとにさらに企業は新たなサービスを作りユーザーに利用してもらう、という構図ができてきました。今の便利な世界は、それらの便利なサービスを提供する巨大なテックカンパニーの功績によるところが大きいですが、一方で富や権力は彼らに集中していきます。

 

特にスマートフォンの登場以降SNSは爆発的に普及し、サービスを提供するAmazon、Google、Facebook、Microsoft など、2010年代はまさに彼らの時代であったといえるでしょう。

 

SNSが発展したということはすなわち、この時代はインターネットが多くの人に普及したおかげで、情報が民主化された時代であるとも言えます。

それまで権力者の手にあった情報統制機能は、ユーザー個人にもたらされました。どこかでニュースがあればマスコミより先に個人が報じることも少なくありません。

 

Web3の概念

 

インターネットに限らず、人類の歴史は権力の集中と分散を繰り返しています。日本史や世界史で学んできた通り、革命や反乱はそのわかりやすい事例です。

 

Web3の思想の根幹は「非中央集権」にあり、まさに、Web2で起きた権力の集中からの脱却がコンセプトであるといえます。

 

その根幹をなす技術がブロックチェーンです。

ブロックチェーンのおかげで、「インターネット上での分散性・信頼性・透明性」が確保されるようになりました。

 

技術的な説明は省きますが、データを複数の台帳で記録する分散型台帳システムによって、データの改竄が限りなく不可能に近くなるというのがブロックチェーンの特徴です。こうして分散して記録を保有することによって中央でデータを管理する必要がなくなり、情報の透明性も高くなります。

 

 

Web3ではこのブロックチェーンの技術に基づき、非中央集権の実現を目指しているといえるでしょう。

 

とはいえ、国家、そして司法、立法、行政など、その根本にある基盤を中央集権的なシステムから移行するフェーズにはまだ至っていないと考えているので、個人的には、実際は完全な非中央集権にはならず、中央集権と非中央集権の両立、棲み分けが生まれると考えています。

 

 

DApps

さて、ここからはデザイナーが活躍できる場について具体的に例を挙げながら考えていこうと思います。

 

そこで、まず重要なキーワードがあります。それがDAppsです。

 

多くのユーザーはDAppsを介してWeb3の世界へと参加します。

 

DAppsとは、ブロックチェーン上に構築されたアプリケーションのことです。

DApps にはSNS、ゲーム、便利なツール、エンタメなど、さまざまな種類があります。

 

ゲーム

DAppsの一つであるNFTゲームのAxie Infinityが東南アジアで大流行しました。Play to Earn(プレイして稼ぐ)をコンセプトに掲げ、ゲーム内ではモンスターを使って対戦、育成、取引などをすることによってトークンを手に入れることができます。

 

このトークンを取引所に売却して得た仮想通貨を、さらに換金することで収益を得ることができます。

Axie Infinityを始めるためには仮想通貨のイーサリアムを購入する必要がありますが、その初期投資に見合うだけのリターンがあるため、このゲームで生計を立てる人もいるようです。

 

このようにDAppsではトークンを発行し、ユーザーにマイクロインセンティブを与えることができます。インセンティブはDAppsの利用を活性化させ、サービスのユーザーと提供者の双方向的な報酬体系ではなく、小さな経済圏を生み出します。

 

DeFi

金融サービスのDAppsはDeFiと呼ばれます。これはDecentralized Financeの略です。

ユーザーがブロックチェーンのスマートコントラクトを利用して直接にやりとりするというものです。代表的なものを挙げると、Uniswap、PancakeSwapがあり、DEX(Decentralized Exchange)と呼ばれます。

 

一方で、中央集権的なプラットフォームを介して取引するbitflyerやCoincheckのような有名な国内仮想通貨取引所はCEX(Centralized Exchange)と呼ばれます。

 

CEXは中央集権的な組織によって運営されるわけではないため、ウォレットと呼ばれるアプリを利用して自らそこに資金を投入し、管理します。

最も有名なウォレットはMetaMaskであり、イーサリアム系のトークンを管理するための財布のようなものです。

 

このMetaMaskをさまざまなDappsと連携して使うのが主流になっています。

MetaMaskはWebブラウザやスマートフォンのアプリで利用することができ、そこからDAppsでの支払いや決済を行うことができるというわけです。

 

デザイナーの役割

メンタルモデルの形成

デザイナーとしてどのように関われるか、という本題に入っていきますが、まず1番に考えうるのはメンタルモデルをユーザーに与えることです。

Web3やDAppsの概念をユーザーが理解するのを助けるのはデザイナーの役割であるといえます。

 

これまで蓄積されてきた人々の経験と照らし合わせ、的確に情報を与えることでスムーズにサービスを利用してもらう。つまりリテラシーの向上に寄与するのです。

スムーズにサービスを利用できるかどうかは、デザイナーの設計能力次第で大きく変わってきます。技術を駆使してサービスを生み出すエンジニアと、それを使うユーザーとの間に入って架け橋となれる存在は貴重であり、環境がカオスな時期ほど重宝されます。

 

UX/UI

この2点を一緒に書くのはあまり好きではないのですが、関連するのであえて一緒に書きます。

 

昨今、サービスの価値や魅力を大きく左右するのはUX(ユーザーエクスペリエンス)やUI(ユーザーインターフェイス)であると考えられるようになりました。

 

Web3のサービスにおいては、従来のWeb2と同様の設計ができる部分、そのままでは無理が生じる部分がそれぞれ発生してくるはずです。

例えば、支払いはカードだったものがMetaMaskと連携し仮想通貨払いになるかもしれませんし、ブロックチェーンを活用することによってキャンセル処理ができなくなったりりすることが考えられます。

 

仮想通貨を触ったことがある方はお分かりになると思うのですが、送金先のアドレスを間違えて入力してしまうと送金先にお金が届かない問題が発生するのです。これは2014年に大量のビットコインを消失したマウントゴックス事件になぞらえてセルフGOXなどと呼ばれますが、そのような事故を防ぐようにデザイナーはサービスを設計していく必要があるでしょう。

 

そこでUIに目を向けてみると、アラートをいつ掲載すべきか?色はどうするのか?文言は?画面の遷移は?など、これまでの経験を活かして設計できる部分と、まったく前例のない設計が必要になる部分が生まれます。

 

また、DAppsの特徴として、トークンを中心とした経済圏が生まれるのが特徴だと書きました。

従って、デザイナーはサービスの提供者とユーザーの体験をつなぐことのみならず、ユーザー同士のインタラクションやその後の発展性も考慮していく必要があります。

 

トークンをどのように発行し、どのように配り、循環させるのか、包括的にサービスを回す仕組みを考えていく必要があるのです。

 

とにかくわかりやすくする

特に新しい概念を普及させる際、気をつけなければならないのは技術を語らないことだとよく言われます。

 

世の中の多くの人はサービスの技術的な素晴らしさをいくら語られたところで、その話についていくことはできません。

ディズニーランドのジェットコースターにいくら優秀なセンサーが搭載されていたとしても、ユーザーが求めるのは快適な乗り心地と楽しいストーリーです。

 

なので、我々デザイナーはどのようにそのサービスの技術が成り立つのかではなく、メリットベースでサービスを伝える必要があります。

なぜ優れているのかではなく、なぜ便利なのか。どれだけ簡単に支払いができるようになるのか、などを伝えるように設計するのもデザイナーの仕事です。

 

黎明期であるからこそ、エンジニアとユーザーの間に立ち、まだその概念に触れたことがない人たちがすんなり理解するよう助ける必要があるのです。

 

 

今後

現在、海外ではこういったサービスが次々に誕生しています。日本では法整備が追いついておらず、特にトークン周りのところで起業者としては税制がかなり厳しいという情報を目にしました。

 

しかし、法整備が追いついて来れば日本でもこれらのサービスを設計できるデザイナーは大変貴重な存在になるといえるでしょう。

 

基本的に日本のビジネスでは、前例がないと動きません。それはデザイナーのポジションについても同じです。昨今叫ばれるUI/UXの必要性も、海外がそういう流れになってから日本も叫ばれ始めたことです。逆に考えれば、アメリカのデザイナーの求人市場がどのような動きになっているかが分かれば、先回りして日本で動けるはずです。

 

特にGoogleなどの巨大な企業が人文系の専門知識を持つ人をUXリサーチャーやデザイナーとして募集し始めてから、国内でも次第にそれらのポジションが用意されるようになったと感じるようになりました。

同じようなことがWeb3の現場でも起こるのではと考えれば、英語で情報にアクセスするだけでかなり需要が見えてくる現実があります。

情報が錯綜するカオスな黎明期の今だからこそ、勇気を持ってすこしずつでもサービスに触れておくことが大切であり、誰でも始められる第一歩なのではないでしょうか。

 

(Web3デザイン事例を調査しつつ加筆中です。)

 

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