大学まで体育会に所属し、部活動やチームスポーツに打ち込んできた私は、自分のプレイヤーとしての役割と組織について常に考えながらスポーツをしてきました。
そんな長きにわたるスポーツ人生のなかで、高校時代から1つ自分の中で大切にしている考え方があります。
それは、「チームスポーツはポケモンのように考える」
ということです。
高校時代にふと共通点を見出した時から、この考えを中心に据えてきました。もちろん当時、ユニフォームを奪い合うライバル達には明かしませんでした。というよりも明かせませんでした。
しかし、大人になった今、もうそのような環境でスポーツをすることもないので、現在チームスポーツをする少しでも多くの方に知ってもらいたいと思い、特に部活でレギュラーやベンチ入りを目指す方に読んでもらえることを期待して書きたいと思います。
結論から言うと、私はこの考え方で、70人いるうちの65~70番目の実力のスタートラインから、スタメンには届きませんでしたが、ユニフォームメンバーの15人まで上り詰めることができました。試合にも出ることができました。
考えてスポーツをする楽しさにもつながってくると思うので、若者の視野を拡げることも期待して以下にその考え方を書こうと思います。
前提
「チームスポーツ is ポケモン論」を述べる前に、ここで想定するスポーツはバスケットボール。状況は高校の部活動とします。
なぜならば、私がこの考えを思いついたのが高校時代のバスケ部だったからです。
読者の方が想像がしやすいように、当時の環境を書きます。
当時の部員数は3学年全体で約70人。
各ポジションの倍率はスタメンになるには14倍。
ベンチ入りは15人なので競争倍率は約4.5倍。
全国大会や関東大会への出場を目指すようなチームだったが、それは叶いませんでした。
せいぜい県ベスト8~16程度。
自分たちの代こそ、そのレベルでしたが、一つ上の代は関東大会に出場していますし、その上になるとインターハイの常連でした。
そのなかで私の実力はというと1年生のときは最下層。
2年生の夏にはBチームのスタメン。冬にAチーム昇格。
春にベンチ入りを果たし、試合に出場できる位置にまで上り詰めました。
自己分析
スポーツにおいて、まず第一に重要なのは徹底的な自己分析。
自分の長所、短所、得意なプレー、苦手なプレー、シチュエーションを徹底的に分析します。
ここは主観でも構わないと思いますが、チームメイトや指導者と議論を重ねて、ダメ出しやアドバイスを貰うとより明確になります。
その他にも大事なことは、一緒にプレーするプレイヤーとのフィーリング。
どんなプレーが得意で、どんなプレーがハマるのか、など。
そういったことも把握しておくことは大切です。
なぜなら、それは自分をアピールすることに使えるからです。得意なプレーを引き出してくれる存在を必ず把握しておき、監督にアピールするために上手く使います。それは自分だけでなく、引き出している側の評価アップにもつながってくるので、まさにWin-Win。双方にメリットがあります。
チーム状況の分析
個人の分析と同等に大切なのが、チームの分析。
どんなプレイヤーがいるのか、自分の狙いに行くポジションはどこなのかを早めに明確にするべきです。
理想のプレイヤー像もないまま、ふわふわとした目標で練習に参加するよりも、目的や伸ばしたい部分を意識したほうが効果があります。また、自分がチームでその部分を担うことができれば、もう1段階チームとしてステップアップできるという意識を持つことが大切なのです。
そうして、組織はレベルアップしていきます。
監督はポケモントレーナー
監督という立場はポケモントレーナーです。
チーム(ボックス)の中からプレイヤー(モンスター)を選びベンチ入り(手持ち)させる。
もし同じ個性のポケモンがいたらステータスの大きいほうをとるし、特徴的な能力や個性があればそれだけで選ばれることもあります。
常識的に考えれば、手持ちは伝説のポケモンと600族、それに個性的な特徴を持ったモンスターにするのが強いはず。
また、監督、つまりポケモントレーナーには好みがあります。人間なので当然です。
積極性が評価されるのか、協調性が評価されるのか。
オフェンスとディフェンスのどちらを重視しているのか。
その辺りを把握し、アジャストしにいくことも重要。
スタメンは伝説もしくは600族
残念ながら、スタメンは殆どの場合において、ステータスがきれいに大きく広がった伝説のポケモンもしくは600族です。
彼らはミュウツーであり、カイリューであり、ボーマンダであり、サザンドラです。
努力をして敵わないとまでは言いませんが、トキワの森のキャタピーが、工夫なしに彼らを抜き去ることは難しいです。
穴が少なく、能力が平均して高い。安定感と破壊力がある。それが600族の特徴です。
だから、そんな彼らの代わりを務めるところまで上り詰めるには、徹底的に戦略を練って、勝負していくべきだと思うのです。
目指すべきはベンチ入り
まず、ベンチにすら入れていない人間が、スタメンを狙いに行くというのは懸命ではありません。もちろん最終的なゴールではありますが、その時点での目標はベンチ入り。
そうすると、何をするべきなのかというと「武器を圧倒的に磨く」ということが1番大事だとことがわかってきます。
なぜ、苦手なことを潰すよりも武器を磨くことのほうが先決なのでしょうか。
それは、監督の目線で言えば、下から這い上がるには落とす要因がないというよりも、上げる要因を持っているということのほうが大切だから。
特に駒の数が揃っている集団ではなおさらです。
光らなければ見つからずに終わってしまいます。アピールが必要です。
また、突き抜けて個性的ではないものの、きれいに能力のバランスが取れたプレイヤーを理想とする人もいると思います。
しかし、ベンチに入ることすらできていないプレイヤーならば、その能力値自体がそれほどまでに高くないということを意味していることは自明でしょう。
したがって、バランスが取れたプレイヤーを目指すにおいても、まずは得意な能力を伸ばすことから始めるべきであると思うのです。
さらにもう1点、得意なことを伸ばすべき理由があります。
それは、チーム全体のステータスは個々の武器が集まり大きく拡がっていくものだからです。
自分が得意なものを持ち寄って上手く引き出し合う、足りない部分を補いあえるのがいいチーム。
いびつに尖って伸びた個性が重なり合って大きな円になるのが理想です。
だから自分と他人の得意なプレーを知る必要があるのです。
タッグマッチで味方がいるのに味方の属性や持っているわざを知らないよりも、知っていた方が断然良いですよね。補い合えるし、ひでりとソーラービームみたいなこともできるのです。
まとめ
スポーツは奥が深いです。
もちろん上に書いたことを無に帰すような圧倒的なセンスやフィジカルで上まで上り詰める人間もいることは確か。
しかし、私のような凡人は、そんな人間がいるからこそどうやって戦うか、どうやって抜いていくかを考えるしかないんです。
自分と向き合い、時間をかけて相手が予想打にしないようなわざや能力を身に着けて、相手の度肝を抜くことは楽しいです。ポケモンもスポーツも同じだと思います。
そうやってレギュラーではない人がスポーツをさらに楽しむきっかけになればと思い、この記事を書きました。
この文章がチームスポーツをする人に届いて、何か変わるきっかけになれば大変うれしく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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